「どうしてこの子ばっかり?」発達障害児ときょうだいの関係、どう育てる?

きょうだい児

こんにちは、みっくす!編集部のりんごです。

「なんで、弟ばっかり怒られないの?」

「私のこと、ちゃんと見てくれてる?」

発達障害のある子どもを育てている家庭で、きょうだいからこんな言葉を聞いたことはありませんか?

家庭の中でどうしても手がかかる発達障害のある子に意識や時間が向いてしまい、きょうだいが我慢したり、

自分の気持ちを抑えたりしていることは、実は少なくありません。

こうした立場にある子どもたちは、「きょうだい児(じ)」と呼ばれています。

きょうだい児とは、障害や病気、不登校児、特別な支援が必要な兄弟姉妹をもつ子どものことを指します。

「自分は我慢しなきゃ」と感じたり、「親を困らせないように」と無意識に気を使ったりすることがあります。

その一方で、支援の手が届きにくく、「困っていることが見えにくい存在」でもあるのです。

今回は、発達障害のある子どもの兄弟姉妹が感じるモヤモヤや葛藤、そして家庭でできる声かけの工夫や支援の実例を通して、

「きょうだい関係」のヒントを一緒に探っていきましょう!

「きょうだい児」の気持ち、考えてみましょう

「なんであの子だけ特別扱いなの?」

「私のこと、気にしてくれてるのかな……」

発達障害などがある子を育てる家庭では、きょうだいがこんなふうに感じる場面がよくあります。

でも、親としては「そんなつもりはないのに」と思うことも多いですよね。

また中には、きょうだいの特性や障害を恥ずかしいと思ってしまい、、、でもそんな気持ちになってしまう自分もいやだなと感じて

悩んでいる子もいます。

特別な支援が必要なきょうだいとともに育つ中で、なかなか周りに見えにくいストレスや葛藤を抱えることがあるのです。

【体験談】きょうだいの「モヤモヤ」

︎・妹の「かんしゃく」に巻き込まれるお兄ちゃん

「妹がパニックになって暴れると、どうしても私たち親はそっちに集中しちゃう。

その間、お兄ちゃんは黙って横で待ってるんです。

ある日、『もう僕、見えてないんじゃない?』って言われて…本当にハッとしました。」

︎・本音が言えなかったお姉ちゃん

「弟の特性について、なるべく説明していたけど…『いつもガマンしてるのは私なんだよ!!』って。

高校生になってから打ち明けてくれたんです。もっと早く気づいてあげたかったです。」

【ポイント】「平等」じゃなく「公平」を目指す

専門家の間では、きょうだい児への配慮は「平等(同じにする)」ではなく「公平(それぞれに合った関わり方)」

大切だとされています。

ある家庭では、こんな工夫をしているそうです:

  • 「弟には“できないこと”があるけど、お姉ちゃんには“できること”があるよね」
  • 「今日はあなたとだけの時間を作る日だよ」

きょうだいそれぞれの“気持ち”に目を向けることで、「自分も大切にされている」と感じられるようになります。

【家庭の工夫】こんな声かけ&時間のつくり方

親御さんたちに聞いてみた、“きょうだい児との関係づくり”のヒントをご紹介します!

  • 「今日の晩ごはん、一緒に作ろうか」
     一対一で過ごす時間を“ちょっとした家事”でつくる。
  • 「弟は今、難しい時期なんだよ。あなたのことも、ちゃんと見てるよ」
     モヤモヤをため込まないよう、思いを受け止める言葉を伝える。
  • “お手伝い係”ではなく、“大事な家族の一員”として関わってもらう
     「あなたがいると助かる」という言葉は、“責任”ではなく“存在の価値”を伝えるものに。

【支援の現場から】きょうだい児のサポートって?

「きょうだい児」は、支援の“対象”になることはまだまだ少ないのが現状です。

しかし最近では、少しずつ地域や民間団体できょうだい支援の取り組みが広がってきています。

たとえば…

  • 日本きょうだい福祉協会の活動
    2023年4月10日(きょうだいの日)に設立された「一般社団法人 日本きょうだい福祉協会」は、障害や病気のある兄弟姉妹をもつ子どもたち(きょうだい児)やその家族が、安心して暮らせる社会の実現を目指して活動しています。

    きょうだい児のためのピアサポートや意見交換会、講演会などを開催しています。

    2025年4月13日には東京都障害福祉会館で「十人十色のきょうだいたち Vol.2」と題した講演会・意見交換会を実施しました。 
    ドラマ「ライオンの隠れ家」のモデルになった太田さんの講演会やひきこもりのきょうだいについて講演会が開かれたようです。
    また、協会のウェブサイトでは、きょうだい児の体験談や支援に関する資料、関連書籍や映画の紹介など、さまざまな情報を提供しています。

    詳しくは、日本きょうだい福祉協会の公式サイトをご覧ください。

このような場は、支援者の目が届くことで、きょうだい児の気持ちも“見える化”されていきます。

時には同じような境遇や気持ちを持った人たちと会話することで少しモヤモヤした気持ちも晴れるかもしれません。

このように、家庭だけで抱え込まず時には支援や地域の力を借りながら、みんなが安心できる関係を育んでいきたいですね。

まとめ:「きょうだいだからわかる」気持ちに寄り添って

きょうだいは、これからも長く深い関係を築いていく存在。

だからこそ、今ちょっとだけでも「あなたのこと、大事に思ってるよ」と伝える時間が、家族間の未来の絆をつくっていきます。

家庭だけで抱え込まず、時には支援や地域の力を借りながら、きょうだいみんなが安心できる関係を育んでいきたいですね。

「みっくす!」編集部より

もしあなたの家庭のきょうだい関係にも、工夫やエピソードがあれば、ぜひ教えてください。

「うちもそうだったよ」「こんなこと、やってみたよ」そんな声が、また誰かの支えになると思います。

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